マテリアリティ
持続可能な社会のけん引役となるために解決すべきマテリアリティ
カリモクグループにおける
マテリアリティ
従業員や外部機関も含めた議論を行い、あるべき社会像、会社像の実現のため、当社グループが取り組んでいくべき重要課題(マテリアリティ)について評価・整理した結果、5つの経営課題を特定しました。
特定したマテリアリティを、事業戦略策定やビジネス上の意思決定プロセスにおける重要要素と位置づけることで、「自然と共生し、人生100年時代を意識した循環型社会」に向けて事業を通じて解決すべき社会課題に挑んでいきます。
また、今回特定したマテリアリティは普遍的な概念ではなく、私たちを取り巻く社会課題の変化に応じて柔軟に変化していくものです。
今後もステークホルダーとの対話や社内での検討を通じて、社会課題の変化を捉え、適切にマテリアリティの検討・見直しを行っていきます。
マテリアリティの特定プロセス
当社グループが事業活動を通じて社会課題の解決を実現するために取り組むべき課題について、社会性・経済性の観点から評価し、重要課題をマテリアリティとして特定しました。
検討にあたっては、有志の従業員や外部有識者など複数のステークホルダーを交えた議論・検証を行った上で、当社グループ経営会議にて最終決定しています。
ステップ1 |
社会課題の把握
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ステップ2 |
社会課題の重要性評価
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ステップ3 |
マテリアリティ案の作成
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ステップ4 |
マテリアリティの特定
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マテリアリティに向けた
取り組み
マテリアリティ1
社会課題解決型商品の開発
当社グループは社内独自の品質基準KGISの制定、人間工学に基づく座り心地研究、および座り心地に関する社内認定制度であるEISの運用など、科学的知見に基づいた製品開発を続けてきました。今後さらに環境・人に対してフレンドリーな商品およびビジネスモデルの開発を加速し、事業の根幹とすることが重要と考え、マテリアリティの1つとして特定しました。
マテリアリティの要素と実施している取り組み
- 森林保全・有効な里山活用のための基礎研究
里山の生物多様性を高める調査研究や、木材の利用価値向上・利用促進に向けた調査研究など、森林や里山の維持・活用に資する研究を行っていきます。
- 木とつくる幸せ(人の快適性)に関する基礎研究
現代のライフスタイルに関する研究や座り心地研究、および木質空間・木質材料に接することによる精神的効果に関する研究を行います。
- 基礎研究を活かした商品開発
研究成果をもとに製品開発を行うことで、お客様に長く愛用して頂き、廃棄に伴う環境負荷の軽減と資源の有効活用に貢献していきます。
マテリアリティ2
カリモクエコシステムの構築
国内は少子高齢化による人口減少となり市場は徐々に縮小傾向にあります。係る状況下、持続的な事業継続には事業領域の拡大・展開、ブランディングによる高付加価値化が必要です。そのためにはカリモクファンを生み、人生を通じてカリモク家具とつながるエコシステムが必要との見解から、カリモクエコシステムの構築をマテリアリティの1つとして特定しました。
マテリアリティの要素と実施している取り組み
- カリモクファンを自然成長的に増やすためのカリモクエコシステムの構築
お客様の関係性では、家具という商材の特性上、家具購入後、次の購入まで年数を要し空いてしまうことが多く、お客様との継続的な関係性を構築することに課題が存在します。
そこで、お客様の暮らしにより貢献する企業となるため、お客様と長いお付き合いを構築する仕組みとして、カリモクエコシステムの構築に取り組んでいきます。お客さまのIDを起点として、継続的なコミュニケーションを行うことで、ライフステージに応じて、お客様の暮らしを支える企業としての成長に取り組んでいます。 - ブランディングへの取り組み
ショールームアンケートを2023年から毎年実施。顧客の情報動線を確認し、顧客接点の最重要タッチポイントをSNSとショールームに設定しました。SNSによるナーチャリングを実施するとともに、ショールーム来館者の期待と不満を特定し、受付方法や接客体制などの運営を改善しました。
今後の活動としてCRMを導入し、さらなる顧客への利便性サービス向上を模索していきます。
マテリアリティ3
純粋な社会貢献
当サステナビリティ方針に従い、社会課題を事業を通じて解決していくことを基本としながらも、企業は社会の公器と捉え、マテリアリティの1つとして特定しました。特に、当社グループの本社を構える東海エリアにおける木育、森林保全をはじめとした社会貢献に注力してまいります。
マテリアリティの要素と実施している取り組み
- CO2削減の取り組み
グループにおけるCO2排出量を把握する仕組みづくりを行うとともに、生産・流通段階におけるCO2排出量の削減や、太陽光発電による創エネに取り組んでいます。
気候変動への対応 - 廃棄物削減の取り組み
グループにおける廃棄物排出量把握の取り組みを進めるとともに、材料の歩留まり向上等による廃棄物削減の取り組みを進めています。
廃棄物の削減 - 木育の実施
木材や木の魅力や、木の文化への理解を深めるため、子供から大人まで参加できるワークショップ・木工教室を開催しています。
地域社会への貢献
マテリアリティ4
人事制度の改革
当社グループの事業を持続的に推進する上で、次世代人材を担う人財戦略は必要不可欠です。「イキイキ・ワクワク」働ける職場環境のためには、若手のモチベーション向上、60歳以上のシニア層の雇用維持等、人事制度の見直しが必要と考え、マテリアリティの1つとして特定しました。
マテリアリティの要素と実施している取り組み
- 人事制度改革への取り組み
「カリモクグループの関係者および協力者の幸せに貢献する企業を目指す」という考えのもと、制度や環境の充実により社員全員が働きやすい職場づくりに努めています。
- エンゲージメント調査の実施
社員向けエンゲージメント調査を実施し、グループにおける人事制度上の課題を明確にしました。それを踏まえて、社員一人ひとりの役割を明らかにし、多様なキャリアを描いていただくための新しい人事制度を2025年4月から実装しました。
マテリアリティ5
強固な経営基盤
当社グループがサステナビリティのある経営を実現していくにあたり、ESG/SDGsの理念に従い、持続可能な経営基盤の構築が必要不可欠であることから、マテリアリティの1つとして特定しました。継続的な生産性向上ための仕組みやBCP体制の構築を企図することで、基盤強化を図ります。
マテリアリティの要素と実施している取り組み
- BCPの整備
災害や感染症により、事業継続に対するリスクが高まる中で、そうした非常時においても事業継続と役職員の安全を確保し、企業として、また地域社会の一員としての責任を果たすため、BCPの策定に取り組んでいます。
- 経営管理の高度化
生産性や業績向上のための管理の仕組みや、会計の仕組みを高度化することで、企業としての収益性を高め、経済価値の創出およびレジリエンスの向上を実現し、社会的責任を果たしていくための基盤強化を行います。