サステナビリティ経営

事業展開による環境・社会への影響分析

当社グループは、木を扱う企業として、森林・自然環境の持続可能性を踏まえ事業活動を行っています。しかしながら、事業を展開する中では、環境と社会にとってプラスの影響と、図らずもマイナスの影響の両面を引き起こしている可能性があると考え、事業による社会影響について現状分析を行いました。このような状況認識のもと、特に、社会に悪影響を及ぼしている事象に対しては積極的に解決すべきと再認識しました。

テーマ プラス面 マイナス面 主なSDGs関連項目
環境 気候変動
  • 炭素の貯蔵効果の増大
  • 太陽光発電推進によりCO2排出量の減少
  • 物流効率を高めることによる
    CO2排出量の減少
  • 未利用材の利用によるCO2固定量の増加
  • 事業活動に伴うCO2排出
  • 海外からの資材・完成品の配送によるCO2の増大
  • 調達している部品・素材生産時におけるCO2排出に間接的に関与
エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 気候変動に具体的な対策を
生態系
保全
  • 諸材料の利用範囲拡大による生物多様性の保存
  • 未利用材の利用による森林環境の保全
  • 森林の維持による地上・海洋の環境保全
  • 森林伐採による環境負荷
  • ウレタン塗装等石油関連資材の利用
海の豊かさを守ろう 陸の豊かさも守ろう
資源循環
  • 長寿命製品による粗大ごみの減少
  • 修理・パーツ交換等のリユースシステムの確立による廃棄物の削減
  • 木の端材をボイラー燃料とすることで空調熱源へ活用
  • 新規製品を販売することで買い替え需要が生まれ、廃棄物が増加
つくる責任、つかう責任
社会 雇用
  • 安心・安全の職場環境(3K回避)
  • 事業の創出により新たな雇用が増加
  • 直接雇用による働き甲斐環境を提供
  • 障がい者雇用率、有給消化率、従業員の女性比率が低いことによる多様な人材の活用不足
ジェンダー平等を実現しよう 働きがいも経済成長も
健康
  • 「自然(木)と共生」提案による安らぎの提供
  • 長年の科学的知見に基づいた製品設計による健康増進(F☆☆☆☆規格の採用など)
  • 椅子に座ることによる健康への悪影響
  • 揮発性有機化合物(VOC)使用によるシックハウス症候群の誘発
すべての人に健康と福祉を
教育
  • リビング学習が定着する製品を作ることで子どもの学習能力が向上
  • 木育を推進することで学習体験の機会が増加
  • 技能伝承のための社内外教育の推進
  • 顧客の正しい理解促進により未利用材の活用を推進
  • 森林伐採(環境破壊)と森林保全(間伐・更新)の違いについて正しい情報提供が不足
質の高い教育をみんなに
調達
  • 国産材利用促進による地域経済への貢献
  • CSR調達を実施していないことによるサプライチェーン上のサステナビリティ毀損
平和と公正をすべての人に

積極的に解決すべき社会課題の整理

事業活動による環境や社会に対する影響をプラス面・マイナス面の両面から捉え、事業活動を通じて積極的に解決すべき社会課題を、以下の6つに整理しました。
また、これらの社会課題を、事業を通じて解決していく際に当社グループにとってどのようなリスクや機会があるかを以下のように分析しました。
今後社会課題解決に向けて事業を推進する上では、リスクは回避し、機会は活かすことで持続的な経営を実践していきます。

1.資源の保全・生物多様性の確保

リスク

環境の資源制約の厳格化

環境変化によるリスク
  • 材料・資源の調達に関連するリスク
環境や資源に関する評判リスク
  • 輸送効率の悪さ
機会

エシカル消費等新しい消費傾向

木材や未利用材等の資源を有効利用することでのビジネスチャンス増加
  • 地域活性化への貢献
  • メンテナンス需要の増加
取り組みの方向性
  • 生産歩留向上・木材の利用範囲拡大による資源の活用効率改善
  • 国内林業活性化のシステムづくり
  • 間伐材・未利用材など多様な材料の活用
関連するSDGs つくる責任、つかう責任 海の豊かさを守ろう 陸の豊かさも守ろう

2.気候変動への対応(CO2の削減)

リスク

脱炭素社会への移行対応

  • 商品ライフサイクルにおけるCO2排出量削減の必要性
  • 脱炭素社会への消費者の意識変化
機会

エシカル消費等新しい消費傾向

CO2削減の取り組みによるビジネスチャンスの増加
  • 国内生産による輸送効率訴求
  • 環境に配慮した製品設計の変更による売り上げ増
取り組みの方向性
  • CO2排出量のモニタリング体制の構築
  • 効率的な輸送システムの実現によるサプライチェーン上の排出量削減
  • 継続的な製造効率の改善
関連するSDGs エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 産業と技術革新の基盤を作ろう 気候変動に具体的な対策を

3.廃棄物の削減

リスク

廃棄物削減への要求の高まり

産業廃棄物増加によるリスク
  • 売り上げ拡大に伴う廃棄物の増加
  • 物流対応のための梱包材増加
間伐材使用による製造工程増
機会

エシカル消費等新しい消費傾向

木製品・木質材への需要増加
  • インテリアの木質化
  • 木製アート等への再評価
長寿命製品の需要増加
取り組みの方向性
  • 廃棄物量をモニタリングする仕組みの構築
  • 木材・牛革等の端材活用
  • 製品リユースにつながる仕組みの確立
関連するSDGs つくる責任、つかう責任 気候変動に具体的な対策を 陸の豊かさも守ろう

4.お客様のウェルビーイングの実現

リスク

住宅需要の変化

住宅に関する顧客ニーズの変化
  • 新築着工数減によるニーズ減少
  • 中古住宅市場の需要増加
機会

暮らしの考え方の変化

新たなライフスタイル(暮らしの考え方)を提案する機会の増加
取り組みの方向性
  • ウェルビーイングに関する研究
  • 長年の科学的知見に基づいた製品提供
  • ライフステージに寄り添ったサポートの実現
関連するSDGs すべての人に健康と福祉を

5.地域社会との共生

リスク

少子高齢化の進展

従業員確保が難しくなる懸念
  • 従業員の高齢化が進展
  • 新規雇用の獲得が困難
機会

働き方の変化

リモートワークの定着
  • 家具へのこだわりが向上
  • 修理ニーズの増加
  • 在宅ワークによる住替えニーズの増加
オフィスのリビング化
  • オフィスにコミュニケーションの場としての機能が期待され、インテリアの役割が増加
地域の雇用創出のための移転
  • 企業として地域産業とのビジネスチャンスの拡大
取り組みの方向性
  • 従業員一人一人の働き甲斐向上につながる持続的な能力開発
  • 健康を維持できる職場環境の整備
関連するSDGs 働きがいも経済成長も 産業と技術革新の基盤を作ろう

6.健康で長くイキイキと働く職場の実現

リスク

働き方改革・多様性への配慮の要求強化

働き方改革への対応の遅れ
  • 有給取得率の低さ
多様性・人権への配慮の必要性向上
  • 障がい者雇用率の低さ
  • 女性従業員/役職者比率の低さ
サプライヤー配慮の必要性向上
  • CSR調達などの対応が必要になる
機会

働き方の変化

リモートワークの定着
  • 家具へのこだわりが向上
  • 修理ニーズの増加
  • 在宅ワークによる住替えニーズの増加
オフィスのリビング化
  • オフィスにコミュニケーションの場としての機能が期待され、インテリアの役割が増加
地域の雇用創出のための移転
  • 企業として地域産業とのビジネスチャンスの拡大
取り組みの方向性
  • 事業で培った専門知識・技能の伝承
  • 地域におけるパートナーシップによる「カリモクエコシステム」の創出
関連するSDGs すべての人に健康と福祉を ジェンダー平等を実現しよう 働きがいも経済成長も 産業と技術革新の基盤を作ろう
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